2009年08月13日

『東京物語』はいかがでしょうか。

こんにちは、タマキです。

本日は映画のご紹介をしたいと思います。

その映画は『東京物語』。
小津安二郎監督を中心に制作された1953年の世界的にも有名な作品です。


初めて観たときには、ローアングルでカメラが固定された撮影が多く、
そこにゆったりとした時間の経過を感じさせられ、だからこそちょっとしたことに
スピードを感じさせられるものになっています。

「これが小津監督の雰囲気をだしているんだろうな」と思いましたが、
イマジナリーラインをあっさりと越えるカットが急に入った途端、度肝を抜かれました。がく〜(落胆した顔)

映画やTV、アニメなどでも基本となっている撮影技法の一つにイマジナリーラインというものがあり、
それを越えてのカットは、鑑賞者に役者等の位置関係を混乱させてしまいます。
(結構、早い時間帯にこのカットがあります。)

※イマジナリーラインについて説明はwikipediaにまかせます→想定線

これを、おそらく『あえて』『豪快に』されているだろうところに新鮮さを感じました。


技術的なところについてはこの程度にして、それ以上に作品として良く作られている人間ドラマとなっているところがオススメなのです。

導入部だけ書きますと、尾道に住んでいる老夫婦が東京に旅行にでかけます。
東京に住む独立した息子・娘たちを、久しぶりに訪ねていくのですが・・・・。

という話。

その後の展開では、人間の表と裏。裏の狙いを表と(あえて?)取ってしまう老夫婦。
最後の最後まで、『人間』というもの、『親』というものを痛感させられます。ふらふら

これはシナリオが良くできている上に、各役者が醸し出している雰囲気・空気が余計にそれを感じさせてくれるのでしょう。

老夫婦である平山周吉(笠 智衆さん)、平山とみ(東山千栄子さん)、の雰囲気が土台にあり、
そこに平山紀子(原節子さん)と金子志げ(杉村春子さん)などとの対比が『人間くささ』を引き立たせているなと思いました。


鑑賞後には良い意味でも悪い意味でも「人間くささ」というものを感じさせられますが、
それ以上に「親に、家族に会いにいこう」と思わせてくれる作品でもありました。

夏休み、盆休みということで、興味を持っていただけたならば、是非、一度は鑑賞してほしい作品です。


あっ、ワイヤーアクションや派手なCGなどはホントにないのでご了承をわーい(嬉しい顔)

posted by 管理人 at 14:35 | Comment(0) | 映画・舞台鑑賞